2009年11月30日月曜日

「脳にいいこと」だけをやりなさい! =★★★★★=

マーシー・シャイモフ (著), 茂木健一郎 (翻訳)/三笠書房
ネガティブ思考をポジティブ思考に変えることから、幸福感を味わいながら人生を送ることができると説く。考え方を変えることだけでなく、深呼法や瞑想、ウォーキング法、ペンを使ったネガティブ排除法など具体的なポジティブ転換法も紹介されている。その中で、他人の幸せを考えるという項目があり、自分にとって欠けていたものであり、とても印象に残った。本書を読んだことで、困難に遭ってもうまく対処できそうな気がしてきた。

宮崎アニメは、なぜ当たる スピルバーグを超えた理由 =★★★=

斉藤 守彦 (著)/朝日新聞出版
映画ジャーナリストである著者が、最近20年間の映画の興行成績でいかに宮崎アニメがハリウッド映画と戦い、次々と記録を塗り替えるヒットを続けてきたかを映画自体の評価や宣伝方法、時代背景などの観点から分析する。
同時期に毎年のようにヒット作を出すスピルバーグと比較しているのは面白い。また、シネマコンプレックスの増加によって興行成績に差がつきやすくなったことや宣伝方法が変化してきていることを知ることができた。
ただ、日本の中だけの興行成績の競い合いは意味があるのか?宮崎アニメは世界に出て行くことができなかったのはなぜか?等の疑問は残った。

2009年11月27日金曜日

アルツハイマー病に克つ =★★★★=

田平 武 (著)/朝日新聞出版
アルツハイマー病は末期になると、患者が人間らしさを失っていくと同時にまわりの人が大変な思いをする悲しい病である。老人の病気とも考えられがちだが、若くしてこの病気を発症することもあり、その場合は進行もはやく、必ず死に至る。
現在はまだこの病気の治療薬は存在しないが、研究段階ではやや明るい兆しが見えはじめていることを本書で知ることができた。5年から10年先になるかもしれない治療薬の開発まで、健康な人も予防に心がける必要あり。

「子供のために」を疑う 10代の子供を伸ばす7つの知恵 =★★★★=

二神 能基 (著)/朝日新聞出版
著者は中学受験塾、幼稚園経営を経て、現在はニート支援のNPOを設立運営しているという少し変わった経歴。最近増えている友達のような親子関係は、子供が悩みをかかえる世代になったとき、支えとなる親が存在しないことで問題が生じると語る。また、親の自己満足のため、子供を誘導することにも否定的。親子関係は子供の年齢と共にほどよい距離を保ちつつ、成長を見守るとが大切なのであろう。
核家族化が進んだことで、親自身がどのように振舞ってよいかわからないことが多い。そのような場面で、本書は具体的な問題対処事例も多く、参考になると思う。

2009年11月26日木曜日

娘が東大に合格した本当の理由~高3の春、E判定から始める東大受験 =★★★★★=

陰山 英男 (著)/小学館
『百マス計算』で有名な著者の次女が一浪の末、東大合格を勝ち得たいきさつを記したもの。タイトルだけ見ると、常日頃学力向上を謳っている著者が実践の成果として書いたのかと思われるかもしれないが、中身は少し異なる。受験に基礎学力は必要であるが、受験テクニックは学力と異なり、”生きる力”と述べて肯定している。また、受験生を持つ親の気持ち、家族愛がよく伝わってくるほほえましい内容だ。
次女本人の体験記は、不安定な受験生の内面がよく描かれている。ずいぶん昔の自分の受験も思い出し、共感できた。自分で建てた目標に向け、客観的に自分自身をコントロールしつづけること、またその結果が自分自身に直接返ってくるという意味で、子供にとって人生初めての経験なのだと思う。

2009年11月19日木曜日

クラウドソーシング―みんなのパワーが世界を動かす =★★★★=

ジェフ ハウ (著), Jeff Howe (原著), 中島 由華 (翻訳)/早川書房
『クラウド』という言葉が流行あるが、最初に言葉の定義をよく理解しておかねばならない。クラウドソーシングとはネットワーク上の不特定多数の人に業務を委託するということで、クラウドコンピューティング(インターネットを経由したサービス)とは意味が異なる。実は、小生自身曖昧な理解をしていたので、本書と共に最近、『雲のなかの未来―進化するクラウド・サービス』を読んで違いがよく理解できた。
クラウドソーシングの面白いのは、次の2つの特性をうまく活用していることである。1.人は知識探求意欲・自己顕示欲を持つから、やりがいがあり、意義深いプロジェクトなら報酬が少なくても作業に協力してくれる。2.多様性を持つ群集の方が画一化された考え方をする会社組織内の人々に比べ、新たな優れたアイデアを出す。
ビジネスに限らず、人類の知恵の創造につなげていく方法はないかと大きなことを考えてしまった。

2009年11月17日火曜日

多読術 =★★★★=

松岡 正剛 (著)/筑摩書房
松岡正剛氏は”千夜千冊”という書評のホームページ(http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya.html)を開設していて、本の内容より、それにまつわる体験談や考察があり、結構楽しめる。難解な長文も多いので、一話分読むのも少々骨が折れるが。
本書は正剛氏の読書術をインタビュー形式で紹介。多読は必ずしも速読しているのではなく、生活環境やリズムを読書を中心としたものにしているからとか。興味ある分野だけでなく、科学技術の分野まで深く入り込んでいるのは立派。印象に残ったのは、『自分の感情や意識を無にして読書するのは不可能。読書とは、書いてあることと自分が感じることが”まざる”こと。一種のコラボレーション。』という部分。やや哲学的である。

2009年11月12日木曜日

使える読書 =★★★★=

斎藤 孝 (著)/朝日新聞社
著者にしては少し軽めの本を選定した書評本。文体もかなり砕けた調子で書かれている。
序章に著者の本の読み方が記されており、『本一冊、丸ごと全部は読まない』、『読書にもフォーマットが必要』、『書くために読む』、『出会い頭で読む』等が印象的。漫然と読書を楽しむだけでなく、本からアイテム(何か自分にプラスになるもの)を見つけ出そうとする読み方である。
書評の内容自体も、ストーリーの紹介や単なる感想ではなく、この本のエッセンスは何かという点に絞ったものなので、本の中身はよくわからないが、一度読んでみようかという気分にさせられるので不思議。

2009年11月11日水曜日

ジャガイモのきた道―文明・飢饉・戦争 =★★★★=

山本 紀夫 (著)/岩波書店
穀物が文明を作り、ジャガイモでは文明は作られないという研究者が多い中、人々の暮らしを支え続けてきたジャガイモに焦点をあてる。インカ帝国時代のアンデスで毒素を軽減されたジャガイモが生まれてから世界各国にどのように広まっていったかを紹介する。欧州では当初、聖書に現れない植物であるが故に、上層階級に忌み嫌われたが、庶民には重要な食料としてすぐに広まった話などは興味深い。日本でも戦時中は食糧はイモしかなかったために体験者はイモを嫌う人が多いとか。

2009年11月10日火曜日

すごい人脈! 一流の人脈、最高の人脈のつくりかた =★★★★=

中島 孝志 (著)/マガジンハウス
人脈作りの基本はやはり人に好かれることと、自分から積極的にアプローチすること。本書を読むと人脈だけでビジネスが成り立つ印象を受けてしまうが、あながち間違いでもないだろう。そういう意味で刺激を受ける本といえる。

2009年11月6日金曜日

国際宇宙ステーションとはなにか =★★★=

若田 光一 (著)/講談社
著者が宇宙ステーションに長期滞在する前に書いたもの。宇宙飛行士に必要な資質が書かれている部分が実社会にもあてはまるようで興味深い。滞在後の著書を期待。