塩野 七生 (著)/新潮社
ポエニ戦役が終了し、比較的平和な時代が訪れると同時に、領土を拡大したローマの構造的な問題が浮かび上がってくる。農耕社会から脱皮し資本主義化していくことによる貧富の差の拡大、失業者の増加、軍事力の低下、ローマと連合国の格差などである。
先見性のある改革派も現れるが、既得権益を持ち保守的な考え方の元老院につぶされてしまう。
社会制度は環境の構造変化にどのように対応していけるか、柔軟性が問われるところだが、なかなか先手を打った改革は進まないのがいつの世にも言えることだろう。
紀元前にもかかわらず、戦争の歴史だけでなく、このような政治史も詳細に記録が残っていることに驚かされる。
2010年10月29日金曜日
2010年10月25日月曜日
ローマ人の物語 (5) ― ハンニバル戦記(下) =★★★★=
塩野 七生 (著)/新潮社
ローマの英雄スキピオが活躍。ハンニバルの地元スペインを攻略後、カルタゴ本国に攻め入り、遂に十数年間イタリアに居座っていたハンニバルを追い出すことに成功する。カルタゴに戻ったハンニバルとザマで戦い、大勝利する。
ただ、貢献者スキピオも十数年後には失脚させられる。一人の人間が権力を持ち続けることと、共和制のローマの体制が本来合わないものだったのだろう。
その後、ローマは周辺国の反乱をことごとく抑えていくことによって、東方はマケドニア、南方にはカルタゴを属州にして拡大していく。
長い目で見ると、ローマを恐怖に陥れたハンニバルが、逆にローマを強大な国にしてしまったという皮肉な結果となることが面白い。
ローマの英雄スキピオが活躍。ハンニバルの地元スペインを攻略後、カルタゴ本国に攻め入り、遂に十数年間イタリアに居座っていたハンニバルを追い出すことに成功する。カルタゴに戻ったハンニバルとザマで戦い、大勝利する。
ただ、貢献者スキピオも十数年後には失脚させられる。一人の人間が権力を持ち続けることと、共和制のローマの体制が本来合わないものだったのだろう。
その後、ローマは周辺国の反乱をことごとく抑えていくことによって、東方はマケドニア、南方にはカルタゴを属州にして拡大していく。
長い目で見ると、ローマを恐怖に陥れたハンニバルが、逆にローマを強大な国にしてしまったという皮肉な結果となることが面白い。
2010年10月21日木曜日
リンゴが教えてくれたこと =★★★=
木村 秋則 (著) /日本経済新聞出版社
以前読んだ、『自然栽培ひとすじに』と基本的には同じ内容。自然栽培を始めた農家の例が多くアップデートされている。また、栽培理論に関する記述が前書よりわかりやすく(一般向けに)なっている。
後継者が多く出て、自然栽培による作物が入手しやすくなって欲しいものだ。
以前読んだ、『自然栽培ひとすじに』と基本的には同じ内容。自然栽培を始めた農家の例が多くアップデートされている。また、栽培理論に関する記述が前書よりわかりやすく(一般向けに)なっている。
後継者が多く出て、自然栽培による作物が入手しやすくなって欲しいものだ。
2010年10月20日水曜日
ローマ人の物語 (4) ― ハンニバル戦記(中) =★★★★=
塩野 七生 (著)/新潮社
第2次エポニ戦役の巻。ローマにとって脅威となるカルタゴの武将ハンニバルの登場である。優れた戦略家で、スペインを経ち、アルプスを越え、イタリア本土まで侵略し、十数年間もイタリア内に留まって戦い続けたのであるから驚きである。
イタリアでは、今でも子供が悪い事をすると「ハンニバルが来てあなたを連れて行ってしまうよ!」と叱ることがあるらしい。『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクターは彼をイメージしたものではないだろうか。
いつの時代でもそうだが、秀でた才能の持ち主がリーダーとなった時、歴史が作られていくのだ。
第2次エポニ戦役の巻。ローマにとって脅威となるカルタゴの武将ハンニバルの登場である。優れた戦略家で、スペインを経ち、アルプスを越え、イタリア本土まで侵略し、十数年間もイタリア内に留まって戦い続けたのであるから驚きである。
イタリアでは、今でも子供が悪い事をすると「ハンニバルが来てあなたを連れて行ってしまうよ!」と叱ることがあるらしい。『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクターは彼をイメージしたものではないだろうか。
いつの時代でもそうだが、秀でた才能の持ち主がリーダーとなった時、歴史が作られていくのだ。
2010年10月19日火曜日
マネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版] =★★★★★=
P・F. ドラッカー (著), 上田 惇生 (著)/ダイヤモンド社
以前から気になっていたが、流行の『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの・・・』(未読) に触発されて手にした。
単に企業が利益を出すための経営論とは少し異なり、企業倫理の視点や人を扱う視点から、どのように組織体を管理・運営していくかの概念を述べている。(具体論ではない)
企業を生命体のように捉え、それを生かし続けていくための頭脳のような重要部分がマネジメントである。
また、人が働くのだから、組織体を動かしていくのは機械のようにはいかず、人を動かす工夫が必要。
と自分なりに解釈した。
数多くの著書をひとまとめにしたものなので、単刀直入に論旨が書かれてあり、全体像をつかみやすい。逆に言えば説明が少なめなので、部分的には納得しにくいところもある。逆転の発想のような刺激的な表現も多く、飽きずに最後まで読める。
以前から気になっていたが、流行の『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの・・・』(未読) に触発されて手にした。
単に企業が利益を出すための経営論とは少し異なり、企業倫理の視点や人を扱う視点から、どのように組織体を管理・運営していくかの概念を述べている。(具体論ではない)
企業を生命体のように捉え、それを生かし続けていくための頭脳のような重要部分がマネジメントである。
また、人が働くのだから、組織体を動かしていくのは機械のようにはいかず、人を動かす工夫が必要。
と自分なりに解釈した。
数多くの著書をひとまとめにしたものなので、単刀直入に論旨が書かれてあり、全体像をつかみやすい。逆に言えば説明が少なめなので、部分的には納得しにくいところもある。逆転の発想のような刺激的な表現も多く、飽きずに最後まで読める。
2010年10月14日木曜日
ローマ人の物語 (3) ― ハンニバル戦記(上) =★★★=
塩野 七生 (著)/新潮社
カルタゴとの間で3回に亘って長期に繰り広げられるポエニ戦役の1回目。海に強いカルタゴに対し、これまで海軍を持っていなかったローマがシチリア争奪のために見真似で初めて軍艦を作って海戦を演じていく。多彩な戦略を駆使して勝ってしまうローマ人の応用力の高さには驚かされる。
カルタゴとの間で3回に亘って長期に繰り広げられるポエニ戦役の1回目。海に強いカルタゴに対し、これまで海軍を持っていなかったローマがシチリア争奪のために見真似で初めて軍艦を作って海戦を演じていく。多彩な戦略を駆使して勝ってしまうローマ人の応用力の高さには驚かされる。
2010年10月4日月曜日
ハックルベリイ・フィンの冒険 =★★★★=
マーク・トウェイン (著), Mark Twain (原著), 村岡 花子 (翻訳)/新潮社
『トム・ソーヤーの冒険』をまだ読んでいないのだが、続編である本書を先に読んだ。
基本的には子供向けに書かれた冒険もの。その中に、子供の目から見た大人の矛盾や、黒人の扱いに対する疑問の投げかけなど、大人が読むと考えさせられるテーマが多く盛り込まれている。19世紀の米国人の生活の様子もよくわかり楽しめる。
『トム・ソーヤーの冒険』をまだ読んでいないのだが、続編である本書を先に読んだ。
基本的には子供向けに書かれた冒険もの。その中に、子供の目から見た大人の矛盾や、黒人の扱いに対する疑問の投げかけなど、大人が読むと考えさせられるテーマが多く盛り込まれている。19世紀の米国人の生活の様子もよくわかり楽しめる。
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