2010年2月25日木曜日

若き友人たちへ―筑紫哲也ラスト・メッセージ =★★★★=

筑紫 哲也 (著)/集英社
著者が大学で講義を行った内容を本にしたもの。学生相手ということで多くの薀蓄を傾けながら著者らしいこだわりのあるメッセージが記されている。少し左寄りの発言が多いため、攻撃対象にもなり勝ちだが、ジャーナリストとしてのまっすぐな姿勢が印象的である。

頭のよい子が育つ片づけ術 =★★=

飯田 久恵 (著)/学陽書房
整理術についてはよくまとまっていてわかりやすいが、はたして子供の頭がよくなるかどうかは疑問。(あまり説得力がない)
子供は記憶力がよいので、あまり整理がきちんとされていなくても困らないのではないかな。一方、大人は整理整頓が絶対必要だと思う。

2010年2月22日月曜日

チャイナ・レイク =★★★=

メグ・ガーディナー (著), 山西美都紀 (翻訳)/早川書房
宗教、軍、裁判などをテーマに盛り込み、アクションとサスペンスを融合した米国らしい作品。
スピード感が感じられ、楽しんで読むことができたが、一方であまり印象に残るものは少ないように思う。映画で例えると、ハリウッド映画のようなもの。

2010年2月12日金曜日

梅原猛の授業 道徳 =★★★=

梅原 猛 (著)/朝日新聞社
著者が京都洛南中学で行った道徳についての講義内容をまとめた本。
戦後、日本の学校で道徳の授業がなくなってしまったことに対する憂いから始まり、儒学、仏教、神道、キリスト教に含まれる共通の道徳観について語っている。宗教間の違いも明確に指摘していてわかりやすい。

iPhone情報整理術 ~あなたを情報’’強者’’に変える57の活用法! =★★★★=

堀 正岳 (著), 佐々木 正悟 (著)/技術評論社
まだ、iPhoneを持っていないが、これからユーザーになるかどうかを検討する上で本書を読んだ。
アプリの具体的な使い方より、いつでも引き出せるように情報を整理するという観点に立って説明しているので参考になった。ネットワークにつなげることで、PCとほぼ同等の情報を持ち歩けることが理解できた。ガジェット好きの虫が騒いできた。

2010年2月11日木曜日

中学受験BIBLE =★★★★=

荘司 雅彦 (著)/講談社
雙葉中に合格した娘の受験体験談。早稲田アカデミー、SAPIXという大手塾に通いながら、父親の熱血指導のもと合格を勝ち取った。
著者は病気療養中に仕事を休んで受験に取り組んだため、まるで家庭教師のように指導しているので、一般的な家庭には参考にならないかもしれないが、推奨問題集、効率的な勉強方法、子供への接し方などはたいへん参考になる。

2010年2月10日水曜日

デミアン =★★★★=

ヘッセ (著), 高橋 健二 (翻訳)/新潮社
『シッダールタ』が面白かったので、本書を手にした。
少年の精神的な変遷、成長過程を描いたものだが、キリスト教に対する疑念や、哲学的な思考を繰り返すなど、解釈は容易ではない。著者へルマン・ヘッセにとっても本書は転換点となっているようだ。『デミアン』以前の著書も読んでみなくては。

2010年2月9日火曜日

日本のもの造り哲学 =★★★★=

藤本 隆宏 (著)/日本経済新聞社
製造業のアーキテクチャーをモジュラー型(組み合わせ型)とインテグラル型(擦り合わせ型)に分類し、日本の製造業の強い部分が擦り合わせ技術にあり、弱い部分が収益へつなげるところと説明しているのは大変わかりやすい。この強い部分をうまく活かしていけば日本の製造業も捨てたものではないと語る。
また、収益につなげていく解決策として、供給側だけでなく、需要側つまり顧客ニーズのアーキテクチャーも考えるという発想は面白い。
全体を通して文章は口語調なためやや冗長な感じを受けるのがやや残念。

2010年2月5日金曜日

「天下り」とは何か =★★★★=

中野 雅至 (著)/講談社
最近の世論では天下りは悪いという印象が感情が常態となっているが、著者は元官僚なので、内部事情も考慮して割と公平な論じ方をしているように感じる。それでも尚、天下りの温床となっている特殊法人や公益法人の増設は税金の無駄遣いという批判的な態度である。
国家公務員というシステムや、政治と官僚の関係など様々な問題点を改良していかないと解決できない難しい課題であることもよく理解できた。政権が変わったことで変化が起きる可能性もあるが、あまり強引なやり方でも小手先の改革だけでもうまくいかない気がする。

2010年2月4日木曜日

和辻哲郎随筆集 =★★★=

坂部 恵 (編集)/岩波書店
和辻の随筆(本人は短文と呼んでいる)を集めたもの。日本の芸術、文化の美しさを丁寧な言葉遣いで詳細に表現している。人との交流についても細やかな観察力で描写している。特に夏目漱石については人物像を知る上で興味深い内容だ。
尚、1920年代から1960年代の幅広い時代の随筆であるが、文体や思想にぶれがないことに感心させられた。

2010年2月2日火曜日

政治と秋刀魚 日本と暮らして四五年 =★★★★=

ジェラルド・カーティス (著)/日経BP社
米コロンビア大学で日本の政治学を専門としている著者は、1964年から日本で度々暮らしているため、日本の文化、社会構造、国民性などにも非常に詳しい。基本的に親日派といえる。
特に、序章の初めて来日して暮らした様子や、2章の代議士の選挙に密着取材した話など大きなカルチャーショックを受けた経験は面白く描かれている。
現在の政治に関しては、社会構造の変化への対応の遅れや中選挙区制から小選挙区制への移行の問題点をわかりやすく説明していて勉強になる。