2010年9月24日金曜日

ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下) =★★★★=

塩野 七生 (著)
/新潮社
共和制となったローマがイタリア全土を支配する紀元前270年までの興隆を描く。
特に他国に対して抜きん出た力を持っていたわけでないローマが興隆した理由を、宗教の寛容さ、独自の政治形態、他民族同化の性向の3点としている。また、開放的な民族の特性がそのような国を作り得たと筆者は考える。
本書は特定の人物像やエピソードは少なめだが、政治形態や他国の様子について詳しく知ることができる。

2010年9月21日火曜日

荘子 第1冊 内篇 =★★★★=

金谷 治 (翻訳) /岩波書店
中国の思想書の中で論語を代表される孔孟思想とはまったく正反対に感じられる。孔子が君子とはかくあるべしと説くのに対し、荘子は人間の生死や生き方を越えた、精神を自由にする境地を目指すことを説いている。
本書は生活苦をかかえる庶民に対して、精神的癒しを与える宗教のような存在だったのではないだろうか。
物事の良し悪しや正誤などという区別を乗り越えた万物斉同という概念が気に入った。

2010年9月18日土曜日

ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) =★★★★★=


塩野 七生 (著)/新潮社
ローマ帝国の興亡史全15巻を文庫本化したもの。
タイトルには物語とあるが、歴史を平易に解説してくれた本という印象。史実を羅列するだけでなく、筆者なりの考えや、補足のエピソードなども交えているので、世界史に疎い小生にも非常にわかりやすい。
本巻ではローマ創世記の王政時代を紹介。約240年に亘って優秀な王が6世代続いたのがローマにとって幸運だったようだ。時代を理解するためにギリシャの歴史も触れているので勉強になった。

2010年9月17日金曜日

日本企業を強くするM&A戦略 =★★=

菊地 正俊 (著)/PHP研究所
最近10年間に起こったのM&Aに関する事例を紹介。
M&A自体、企業の効率化を目指すものだから当然かもしれないが、日本企業の株主軽視姿勢にはかなり批判的。
事例を多く載せたかったためかもしれないが、内容はやや表面的。もう少し深堀りが欲しかった。

2010年9月15日水曜日

相対性理論入門 =★★★★=

内山 竜雄 (著)/岩波書店
専門知識のない読者にも相対性理論の概略を理解できるよう、極力数式を使わずに文章や図で説明ている。
理論のほとんど全てを一人で作り上げたアインシュタインの能力のすばらしさを感じることができる。

2010年9月14日火曜日

Twitter社会論 ‾新たなリアルタイム・ウェブの潮流 =★★★★=

津田 大介 (著)/洋泉社
Twitterを新たなメディアと捉えてその影響力を評価する。
特にジャーナリズムへのインパクトの大きさを評価している点が印象的。既存のマスメディアがなくなるわけではなく、補完的な役割を担っていくと予想する。
企業が利用する場合でも、個人の情報発信が基本なので、人間力のある人が担当すべきという点や、140字という字数制限があるために、発信したい内容を凝縮させる作業を必要とすることが、既存の出版業界の仕事に似ているという筆者の意見も興味深い。

2010年9月13日月曜日

旧約聖書を知っていますか =★★★★=

阿刀田 高 (著)/新潮社
聖書を読むハードルを低くしてくれる本。かなりフランクな切り口で語ってくれるので面白い。
ユダヤ人の歴史のような部分も多いが、キリストが生まれるまでの神と人間の関係を理解する上で旧約聖書の重要性が理解できた。さてはたして私は旧約聖書を読みきることができるか?

2010年9月3日金曜日

自然栽培ひとすじに =★★★★=

木村 秋則 (著)/創森社
無農薬だけでなく無肥料でりんごを栽培することに驚いた。また、そこに至るまでの苦労の期間が9年と長く、食うにも困る生活であった語りが笑っては失礼だが面白かった。よく考えれば自然界で育つ果物は当然自然栽培であり、自然の作り出す生命のバランスを維持してあげれば無農薬・無肥料でも果物は育つということだ。
このような農家が増えていって欲しいものだ。
現在流行りのエコの次はナチュラルブームが来るのではないだろうか。

2010年9月2日木曜日

誰もが聖書を読むために =★★★★=

鹿嶋 春平太 (著)/新潮社
キリスト教について勉強し、欧米人の考え方の理解を深められればと思い、本書を手にした。
神=創造主の概念、人間の原罪、キリストの存在理由、最後の審判、ノアの箱舟などのつながりがようやく理解できた。死に対する考え方が仏教思想とかなり異なることがわかった。聖書を読む前の解説書として有用。
後半は日本における形而上学の欠如を訴えているが、これについてはやや一方的な見方である部分が多く、疑問が残った。

2010年9月1日水曜日

道は開ける =★★★=

デール カーネギー (著), 香山 晶 (著)/創元社
悩みをかかえる人への気持ちの切り替え方の指南書。様々な人の悩み克服例が書かれてあり、自分に合ったものを実践すればよいだろう。
自分は楽天的だから悩むことはないと考えているのだが、これまで非常に困った事態に陥ったことがなかっただけかもしれない。人間の精神力は案外弱いものだ。最悪の事態を考え、冷静に対処方法を考えられるよう、日頃から自分の視野を拡げておくことが必要だろう。