2011年2月24日木曜日

ローマ人の物語〈21〉危機と克服〈上〉 =★★★★=

塩野 七生 (著)/新潮社
アウグストゥスの血を引く皇帝はネロが最後となり、皇帝位の争いが始まる。
ガルバ、オトー、ヴィテリウスと短期政権が続き、ローマ市内も戦場と化してしまう。
権力の集中する帝政にあっては、皇帝自信の能力も秀でていないと統治できないということである。
日本の戦国時代と似ているように思える。

2011年2月23日水曜日

CIA 失敗の研究 =★★★=

落合 浩太郎 (著)/文藝春秋
冷戦時代が終わると共に、米国諜報機関CIAの存在意義が不明確になり、抱えることになった様々な問題を指摘する書。
内的には、官僚主義の体質が能力の低下を招いていると指摘する。
外的には、近年の大統領および政府が諜報活動の意義を理解しておらず、政治の道具と化している。
また、9.11の同時多発テロを未然に防げなかった失敗は、CIAの能力低下、および政府のテロに対する警戒心の低さにあったと論じている。

2011年2月17日木曜日

ローマ人の物語〈20〉悪名高き皇帝たち(4) =★★★★=

塩野 七生 (著)/新潮社
キリスト教徒からは最も敵とされている暴君ネロの登場。
ただ、キリスト教徒を迫害したのは、ローマの大火災の犯人に仕立てた一回のみと意外と少ない。
また、悪政ばかりでなく、善政も行っているので本書を読む前のイメージとは異なった。
ナイーブな性格故に逆境に弱く、暴挙に出てしまうのである。
14年間の統治の後、30歳で自死に追い込まれる。
皇帝の器ではなかったということであろう。

本シリーズは『悪名高き皇帝たち』となっているが、その後長期に亘る帝政ローマの安定化には貢献したと言えよう。ただ、皇帝一人に権力が集中する仕組みにしては、バランスの欠ける部分を持った人たちだったということであろう。

2011年2月10日木曜日

西洋哲学史―古代から中世へ =★★★=

熊野 純彦 (著)/岩波書店
古代から中世にかけての西洋哲学の変遷をまとめたもの。
存在のある、なしや自然、神などがテーマとなっている。
著者が、哲学者の使った文章をできるだけ多く引用しようと努力してるので、表面だけの解説より実感は沸くのだが、逆に素人にとっては理解に苦しむ部分も多い。
古代ローマ史を読んでいる最中なので、キケロ、フェロン、セネカなどが登場する部分は興味深かった。

2011年2月8日火曜日

ローマ人の物語〈19〉悪名高き皇帝たち(3) =★★★★=

塩野 七生 (著)/新潮社
悪名高きカリグラが暗殺され、急遽五十代で皇帝に抜擢されたクラウディウスが財政再建、外交安定化と統治秩序の回復に努める。后には恵まれず、市民からも軽く見られていたようだが、実直にパクス・ロマーナの維持に貢献し、著者からは好意的に描かれている。
最後には后・小アグリッピーナに毒殺され、皇帝の座も連れ子のネロへわたることになるのが少し残念な結末である。もう少し回りへ気遣いをする性格なら違う展開だったかもしれないが。。

2011年2月4日金曜日

ぼくらの頭脳の鍛え方 =★★★★=

立花 隆・佐藤 優 (著) /文藝春秋
立花氏と佐藤氏による推薦の新書・文庫本の紹介を、対談形式で行っている。著者らのこだわりの強い、哲学、宗教、政治、思想、教育などの談話が盛り上がり、少々取っ付き辛い書籍を次々と紹介している。
様々な分野の知識をバランスが偏ることなく習得するために、ここで紹介されている書籍を読んでいってみようと思った。

2011年2月2日水曜日

ホンモノ探し―人生が豊かになる小道具 =★★★★=

鳥海 忠 (著) /光文社
自分の中のホンモノと思えるものを探求して究極のモノに出会った喜びを、著者は『完璧と思う商品と接して、思い煩うことから解放されて自由になる』と表現している。
庶民の金銭感覚で語られていて、本書で紹介される種々のホンモノは少し高価だが少し背伸びをして手に入れることのできそうなモノである。また、永く自分の生活で使うという視点から、定番と呼ばれる歴史のあるモノを選択している点も共感できる。