2010年12月30日木曜日

シェイクスピアについて僕らが知りえたすべてのこと =★★★=

ビル ブライソン (著), Bill Bryson (原著), 小田島 則子 (翻訳), 小田島 恒志 (翻訳)/日本放送出版協会
ショーエクスピアの戯曲は多く残っているが、シェークスピアがどのような人物だったかという記録はほとんど残っていないらしい。様々な憶測が飛び交っているので、実際にわかっていることをまとめた本という位置づけ。
結局よくわからないことが多いということがわかるだけであるが、16世紀から17世紀にかけてのイギリスの時代背景や庶民の様子を知ることができ、興味深い。
作家のことは知られなくても、作品がこれだけ長く秀作として伝えられ、舞台で演じられ続けているわけであるから作家にとって本望だと思う。

2010年12月27日月曜日

ローマ人の物語〈15〉パクス・ロマーナ(中) =★★★=

塩野 七生 (著)/新潮社
アウグストゥス45歳から57歳にかけての平和ローマ帝国の統治の様子である。
少子対策、区画整理、軍縮など様々な改革を着実に実行する優れた政治家という印象だ。
ただ、ゲルマン民族の制覇を目指す過程で、アグリッパ、マエケナス、およびドゥルーススの死が次々と重なり、ティベリウスも離反してしまうという試練の時期を迎えることになる。

人間を『死すべき者』と呼ぶ、非宗教的、非哲学的なローマ人の死生観についての記述が興味深かった。

2010年12月17日金曜日

ジュリアス・シーザー =★★★=

シェイクスピア (著), 福田 恒存 (翻訳)/新潮社
『ローマ人の物語』に触発されて本書を読んでみた。登場人物名が英語読みなので、『ローマ人・・』とは異なっていて違和感があったが、だいたい結び付けることはできた。
シーザー(カエサル)暗殺をテーマに書かれたものなので、主人公は暗殺者のブルータスである。ブルータスの苦悩と誠実さがよく表現されている。
シェークスピアの作品の中ではそれほど評価の高い作品ではないが、17世紀のイギリスでローマ帝国についての感心の高さがよくわかり興味深い。

2010年12月15日水曜日

ローマ人の物語〈14〉パクス・ロマーナ(上) =★★★★=

塩野 七生 (著)/新潮社
終身独裁官カエサルが共和制復古を期待する直接元老院派の権力を削減していった方法と異なり、アウグストゥス(オクタヴィアヌス)元老院派と協調しながら終身護民官となることで実質の支配者となり、着実に帝政の基礎を固めていく。老獪な戦略家である。
また、権力を掌握するだけでなく、平和が訪れたローマを安定成長路線に乗せていくことを目指して、政治、経済、軍隊統率、属州統治、食料問題などさまざまな分野で長期的な改革を行っていく。結構真面目な初代皇帝なのであった。

2010年12月13日月曜日

ガラパゴス化する日本 =★★=

吉川 尚宏 (著)/講談社
日本で作られる商品やサービスが、世界規格から外れて日本独自の規格の中で進化することで、対外競争力を失っている状態をガラパゴス化と呼んでいる。また、商品やサービスだけでなく、日本人自体もガラパゴス化して外に出ることに臆病になっていると警告を発する。
ゲーム理論に則って、規格の採用に関する戦略の立て方を解説しているが、このようなことは当然日本の企業は考えて合理的判断を下した結果現状のようになっているのだと思う。
文化や言葉の壁もガラパゴス化を引き起こす原因となっているだろうし、役所の産業保護の政策も世界標準化への妨げとなってきたことも事実であろう。
ただ、世界との距離が縮まり、あらゆる商品やサービス、情報が行き来する時代の流れで、各企業、各人とも生き残るためにガラパゴス化から脱却する術を自然に見つけ出していくのではないかという楽観的な希望をもつのは不自然なのだろうか。(敢えて警告する必要あるのだろうか?)

2010年12月9日木曜日

ローマ人の物語〈13〉ユリウス・カエサル―ルビコン以後(下) =★★★★=

塩野 七生 (著)/新潮社
カエサルが暗殺され、アントニウスとオクタヴィアヌスの後継者争いが始まる。
二人が一時的に手を組んだ『第二次三頭政治』で、カエサルの望まなかった反カエサル派への粛清が行われたのは残念である。長く脇役を演じてきたキケロもここで殺されてしまう。
その後、エジプト女王クレオパトラと組むアントニウスが敗れてオクタヴィアヌスの時代となる。
カエサルに対しては好意的に書いてきた筆者が、クレオパトラに対しては辛らつに批評するところは興味深い。
シェークスピアを読みたくなった。

2010年12月7日火曜日

ローマ人の物語〈12〉ユリウス・カエサル―ルビコン以後(中) =★★★★=

塩野 七生 (著)/新潮社
終身独裁官となったカエサルは、当初の構想通り元老院の力を弱め、帝政の礎を築いていく。政治、経済の両面から巨大化したローマを統治する方法として最善と考えた方向性だったのだろう。
反カエサル派の人々を排除することなく、改革を推し進める独自のスタイルが興味深い。著者は寛容、合理主義と表現しているが、人生に悟りを開き、自信に満ち溢れていた人間だったのではないか。
JULY(7月)はユリウスだったんだ!

2010年12月2日木曜日

わが子を伸ばす四大必須科目「音読」「作文」「暗算」「焚き火」 =★★=

松永 暢史 (著)/飛鳥新社
家庭教師のプロが、子供の育て方を教示。
「音読」「作文」「暗算」「焚き火」が子供にとって大切と力説するが、具体性、説得力にはやや欠ける。
受験勉強に関しては、いかに効率よく合格最低ラインに到達するかというゲームと捉えているところは面白い。(同感である)

2010年12月1日水曜日

ローマ人の物語〈11〉ユリウス・カエサル―ルビコン以後(上) =★★★★=

塩野 七生 (著)/新潮社
ルビコン川を越えたカエサルがローマに戻ってきて実権を掌握する。
ローマからギリシャへ退散したポンペイウスと元老院派議員を追い、ファルサルス会戦において数で勝るポンペイウス軍に圧勝してしまう。カエサルのリーダーとしての迅速な決断力と行動力が際立った。
また、ローマ人同士の戦いなので、極力犠牲者を出さない解決策を探ったり、反対勢力への粛清は行わないなど、マリウスやスッラのやり方とは異なる度量の大きさを見ることができる。
エジプトに逃げたかつての英雄ポンペイウスのあっけない死は何とも寂しいものだった。

2010年11月25日木曜日

自然科学30のなぜ?どうして?―国立科学博物館の展示から =★★★★=

国立科学博物館 (著)/さえら書房
国立科学博物館の展示品30点について小学生高学年~中学生向けに書かれた解説本。各3~4ページの解説なので、深堀りしているわけではないが、展示物に添えられている解説よりは詳しいだろう。裏話等もあり、大人が読んでも十分楽しめる。
実際に博物館に足を運んでみようという気にさせられた。

2010年11月18日木曜日

ローマ人の物語〈9〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(中) =★★★★=

塩野 七生 (著)/新潮社
四十歳代となったカエサルが『三頭政治』という政治戦略を画策し、最高権力者である執政官まで登り詰める。執政官退任後はガリア(現在のフランス)に総督として着任し、カエサル自身の執筆で有名となる『ガリア戦役』を開始し、政治力だけでなく、軍事的手腕の高さも併せ持つことを証明する。
当時のフランス、ドイツ、イギリスは野蛮な民族と考えられていて、文明の点ではギリシャを代表する地中海諸国の方が進んでいた様子がよくわかり興味深い。

2010年11月16日火曜日

ローマ人の物語〈8〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(上) =★★★★=

塩野 七生 (著)/新潮社
いよいよユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)の登場である。
本巻では、カエサルの誕生から青年期にかけてのあまり目立った行動のない時期で、政治的混迷の続くローマの中でどのように処していたかを描いている。前巻のマリウスやスッラの時代を別の角度から再度説明しているので理解が深まった。時代背景が重要なので、このあたりは飛ばさずに読むことを推奨する。
カエサルに関するエピソードは多くないが、自己顕示欲が強かったことは想像できる。

2010年11月10日水曜日

ローマ人の物語 (7) ― 勝者の混迷(下) =★★★=

塩野 七生 (著)/新潮社
外交上は平和な時期こそ、内政は混乱が生じるものだ。
元老院の力の衰えと共に、武力に訴えた独裁者が次々と現れる。
ローマ内でローマ人同士の戦いや、反対勢力への粛清が行われる。
マリウス、スッラ、ポンペイウス・・・の時代である。
権力を握っていく人々だが、英雄ではないので非常に客観的に描かれている。

2010年11月9日火曜日

中学受験サクラサクまでの1000日戦争―泣いた!笑った!合格力は家族力 =★★★=

結城 世羅 (著)/グラフ社
3年間に亘る中学受験の体験記。最初は好調だったが、5年、6年と進むうちに、塾の課題は膨大になり、消化しきれずにカリキュラムはどんどん進んでいってしまう状況は理解できる。小学生の知力にとって中学受験のハードルはかなり高いものなのだ。弊害さえもあるかもしれない。
小生の子も4年生で塾通いを始めて半年以上経過したが、まだ受験するのか実感もなく、どの学校を見ても違いがわからないぼんやり娘なので、本書の男の子が自ら中学受験を希望し、志望校を決定する様子にはとても驚かされた。

2010年11月8日月曜日

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら =★★★=


岩崎 夏海 (著)/ダイヤモンド社
高校野球のマネージャーがマネジメントをするという発想は面白い。もう少し、小説としての深みを増すか、マネジメントの解説本に徹するかのどちらかの方向に向かってほしかった。
先日、ドラッカーの『マネジメント(エッセンシャル版)』を読んだばかりなので内容のインパクトを感じなかったせいかもしれないが。

2010年10月29日金曜日

ローマ人の物語 (6) ― 勝者の混迷(上) =★★★=

塩野 七生 (著)/新潮社
ポエニ戦役が終了し、比較的平和な時代が訪れると同時に、領土を拡大したローマの構造的な問題が浮かび上がってくる。農耕社会から脱皮し資本主義化していくことによる貧富の差の拡大、失業者の増加、軍事力の低下、ローマと連合国の格差などである。
先見性のある改革派も現れるが、既得権益を持ち保守的な考え方の元老院につぶされてしまう。
社会制度は環境の構造変化にどのように対応していけるか、柔軟性が問われるところだが、なかなか先手を打った改革は進まないのがいつの世にも言えることだろう。
紀元前にもかかわらず、戦争の歴史だけでなく、このような政治史も詳細に記録が残っていることに驚かされる。

2010年10月25日月曜日

ローマ人の物語 (5) ― ハンニバル戦記(下) =★★★★=

塩野 七生 (著)/新潮社
ローマの英雄スキピオが活躍。ハンニバルの地元スペインを攻略後、カルタゴ本国に攻め入り、遂に十数年間イタリアに居座っていたハンニバルを追い出すことに成功する。カルタゴに戻ったハンニバルとザマで戦い、大勝利する。
ただ、貢献者スキピオも十数年後には失脚させられる。一人の人間が権力を持ち続けることと、共和制のローマの体制が本来合わないものだったのだろう。

その後、ローマは周辺国の反乱をことごとく抑えていくことによって、東方はマケドニア、南方にはカルタゴを属州にして拡大していく。

長い目で見ると、ローマを恐怖に陥れたハンニバルが、逆にローマを強大な国にしてしまったという皮肉な結果となることが面白い。

2010年10月21日木曜日

リンゴが教えてくれたこと =★★★=

木村 秋則 (著) /日本経済新聞出版社
以前読んだ、『自然栽培ひとすじに』と基本的には同じ内容。自然栽培を始めた農家の例が多くアップデートされている。また、栽培理論に関する記述が前書よりわかりやすく(一般向けに)なっている。
後継者が多く出て、自然栽培による作物が入手しやすくなって欲しいものだ。

2010年10月20日水曜日

ローマ人の物語 (4) ― ハンニバル戦記(中) =★★★★=

塩野 七生 (著)/新潮社
第2次エポニ戦役の巻。ローマにとって脅威となるカルタゴの武将ハンニバルの登場である。優れた戦略家で、スペインを経ち、アルプスを越え、イタリア本土まで侵略し、十数年間もイタリア内に留まって戦い続けたのであるから驚きである。
イタリアでは、今でも子供が悪い事をすると「ハンニバルが来てあなたを連れて行ってしまうよ!」と叱ることがあるらしい。『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクターは彼をイメージしたものではないだろうか。
いつの時代でもそうだが、秀でた才能の持ち主がリーダーとなった時、歴史が作られていくのだ。

2010年10月19日火曜日

マネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版] =★★★★★=

P・F. ドラッカー (著), 上田 惇生 (著)/ダイヤモンド社
以前から気になっていたが、流行の『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの・・・』(未読) に触発されて手にした。

単に企業が利益を出すための経営論とは少し異なり、企業倫理の視点や人を扱う視点から、どのように組織体を管理・運営していくかの概念を述べている。(具体論ではない)

企業を生命体のように捉え、それを生かし続けていくための頭脳のような重要部分がマネジメントである。
また、人が働くのだから、組織体を動かしていくのは機械のようにはいかず、人を動かす工夫が必要。
と自分なりに解釈した。

数多くの著書をひとまとめにしたものなので、単刀直入に論旨が書かれてあり、全体像をつかみやすい。逆に言えば説明が少なめなので、部分的には納得しにくいところもある。逆転の発想のような刺激的な表現も多く、飽きずに最後まで読める。

2010年10月14日木曜日

ローマ人の物語 (3) ― ハンニバル戦記(上) =★★★=

塩野 七生 (著)/新潮社
カルタゴとの間で3回に亘って長期に繰り広げられるポエニ戦役の1回目。海に強いカルタゴに対し、これまで海軍を持っていなかったローマがシチリア争奪のために見真似で初めて軍艦を作って海戦を演じていく。多彩な戦略を駆使して勝ってしまうローマ人の応用力の高さには驚かされる。

2010年10月4日月曜日

ハックルベリイ・フィンの冒険 =★★★★=

マーク・トウェイン (著), Mark Twain (原著), 村岡 花子 (翻訳)/新潮社
『トム・ソーヤーの冒険』をまだ読んでいないのだが、続編である本書を先に読んだ。
基本的には子供向けに書かれた冒険もの。その中に、子供の目から見た大人の矛盾や、黒人の扱いに対する疑問の投げかけなど、大人が読むと考えさせられるテーマが多く盛り込まれている。19世紀の米国人の生活の様子もよくわかり楽しめる。

2010年9月24日金曜日

ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下) =★★★★=

塩野 七生 (著)
/新潮社
共和制となったローマがイタリア全土を支配する紀元前270年までの興隆を描く。
特に他国に対して抜きん出た力を持っていたわけでないローマが興隆した理由を、宗教の寛容さ、独自の政治形態、他民族同化の性向の3点としている。また、開放的な民族の特性がそのような国を作り得たと筆者は考える。
本書は特定の人物像やエピソードは少なめだが、政治形態や他国の様子について詳しく知ることができる。

2010年9月21日火曜日

荘子 第1冊 内篇 =★★★★=

金谷 治 (翻訳) /岩波書店
中国の思想書の中で論語を代表される孔孟思想とはまったく正反対に感じられる。孔子が君子とはかくあるべしと説くのに対し、荘子は人間の生死や生き方を越えた、精神を自由にする境地を目指すことを説いている。
本書は生活苦をかかえる庶民に対して、精神的癒しを与える宗教のような存在だったのではないだろうか。
物事の良し悪しや正誤などという区別を乗り越えた万物斉同という概念が気に入った。

2010年9月18日土曜日

ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) =★★★★★=


塩野 七生 (著)/新潮社
ローマ帝国の興亡史全15巻を文庫本化したもの。
タイトルには物語とあるが、歴史を平易に解説してくれた本という印象。史実を羅列するだけでなく、筆者なりの考えや、補足のエピソードなども交えているので、世界史に疎い小生にも非常にわかりやすい。
本巻ではローマ創世記の王政時代を紹介。約240年に亘って優秀な王が6世代続いたのがローマにとって幸運だったようだ。時代を理解するためにギリシャの歴史も触れているので勉強になった。

2010年9月17日金曜日

日本企業を強くするM&A戦略 =★★=

菊地 正俊 (著)/PHP研究所
最近10年間に起こったのM&Aに関する事例を紹介。
M&A自体、企業の効率化を目指すものだから当然かもしれないが、日本企業の株主軽視姿勢にはかなり批判的。
事例を多く載せたかったためかもしれないが、内容はやや表面的。もう少し深堀りが欲しかった。

2010年9月15日水曜日

相対性理論入門 =★★★★=

内山 竜雄 (著)/岩波書店
専門知識のない読者にも相対性理論の概略を理解できるよう、極力数式を使わずに文章や図で説明ている。
理論のほとんど全てを一人で作り上げたアインシュタインの能力のすばらしさを感じることができる。

2010年9月14日火曜日

Twitter社会論 ‾新たなリアルタイム・ウェブの潮流 =★★★★=

津田 大介 (著)/洋泉社
Twitterを新たなメディアと捉えてその影響力を評価する。
特にジャーナリズムへのインパクトの大きさを評価している点が印象的。既存のマスメディアがなくなるわけではなく、補完的な役割を担っていくと予想する。
企業が利用する場合でも、個人の情報発信が基本なので、人間力のある人が担当すべきという点や、140字という字数制限があるために、発信したい内容を凝縮させる作業を必要とすることが、既存の出版業界の仕事に似ているという筆者の意見も興味深い。

2010年9月13日月曜日

旧約聖書を知っていますか =★★★★=

阿刀田 高 (著)/新潮社
聖書を読むハードルを低くしてくれる本。かなりフランクな切り口で語ってくれるので面白い。
ユダヤ人の歴史のような部分も多いが、キリストが生まれるまでの神と人間の関係を理解する上で旧約聖書の重要性が理解できた。さてはたして私は旧約聖書を読みきることができるか?

2010年9月3日金曜日

自然栽培ひとすじに =★★★★=

木村 秋則 (著)/創森社
無農薬だけでなく無肥料でりんごを栽培することに驚いた。また、そこに至るまでの苦労の期間が9年と長く、食うにも困る生活であった語りが笑っては失礼だが面白かった。よく考えれば自然界で育つ果物は当然自然栽培であり、自然の作り出す生命のバランスを維持してあげれば無農薬・無肥料でも果物は育つということだ。
このような農家が増えていって欲しいものだ。
現在流行りのエコの次はナチュラルブームが来るのではないだろうか。

2010年9月2日木曜日

誰もが聖書を読むために =★★★★=

鹿嶋 春平太 (著)/新潮社
キリスト教について勉強し、欧米人の考え方の理解を深められればと思い、本書を手にした。
神=創造主の概念、人間の原罪、キリストの存在理由、最後の審判、ノアの箱舟などのつながりがようやく理解できた。死に対する考え方が仏教思想とかなり異なることがわかった。聖書を読む前の解説書として有用。
後半は日本における形而上学の欠如を訴えているが、これについてはやや一方的な見方である部分が多く、疑問が残った。

2010年9月1日水曜日

道は開ける =★★★=

デール カーネギー (著), 香山 晶 (著)/創元社
悩みをかかえる人への気持ちの切り替え方の指南書。様々な人の悩み克服例が書かれてあり、自分に合ったものを実践すればよいだろう。
自分は楽天的だから悩むことはないと考えているのだが、これまで非常に困った事態に陥ったことがなかっただけかもしれない。人間の精神力は案外弱いものだ。最悪の事態を考え、冷静に対処方法を考えられるよう、日頃から自分の視野を拡げておくことが必要だろう。

2010年8月30日月曜日

株のジンクス =★★★=

吉野 貴晶 (著)/日本経済新聞出版社
身近な出来事と株価の動きの関係を調べたもの。関連性が高いものについて、景気を媒介として妥当性を何とか説明づけているところが面白い。

2010年8月23日月曜日

大人のための算数練習帳 図形問題編 =★★★=

佐藤 恒雄 (著)/講談社
中学入試問題レベルの幾何問題を大人も楽しんでみようという本。
難しい定理を使わないで解ける問題ばかりなので、久しぶりの図形問題の割には取り組みやすかった。
頭の体操にはなるだろう。

2010年8月18日水曜日

人を動かす =★★★★★=

デール カーネギー (著), 山口 博 (著)/創元社
人を動かすのは自ら動こうとする気持ちであり、他から与えられる命令ではない。
その前向きな気持ちは、他人に認められることから生まれる。
ものごとの正当性を主張するだけでは人の気持ちを変えることはできない。

仕事の場だけでなく、家族や友人との付き合い方においても参考になる。
自分自身を振り返ってみて、反省することが多かった。
常に手元に置いてときどき読み返したい一冊だ。

2010年8月6日金曜日

おとなの小論文教室。 =★★=

山田 ズーニー (著)/河出書房新社
小論文教室というタイトルからは文章を書く技術が想像されるが、本書は文章を書くための動機づけの部分に注力する。自分の内側から湧き出してくる感情を文章としてアウトプットすることの重要性を謳っている。
本書はインターネット上のコラムを書籍化したもので、体系立てられていないため、やや読みづらい。

2010年8月5日木曜日

人を見抜く技術──20年間無敗、伝説の雀鬼の「人間観察力」 =★★★★=

桜井 章一 (著)/講談社
以前に読んだ著者の「負けない技術」と同様、人生を達観したような落ち着いた調子。
人間の欲望が、動作や目に癖のような形で表れること。
自分自身はそのような癖をなくしていく努力が必要なこと。
また固定観念を持たず、柔軟であること。
等を説いていく。
勝負事に限らず、人生訓として実践してみたい。

2010年8月4日水曜日

大人のための算数練習帳 =★★★=

佐藤 恒雄 (著)/講談社
算数と数学の大きな違いは、文字変数を使うか使わないかという点にあり、文字を使わない算数は解法にいろいろな工夫が必要となる。そのため~算という解法で体系立てられているが、小学生にとってはそれらの解法を覚えるよりも、柔らかい頭で創意工夫できる力をつけることが大切ではないかと考えさせられた。

2010年8月3日火曜日

坂の上の雲〈8〉 =★★★★=

司馬 遼太郎 (著)/文藝春秋
日本海海戦で完全勝利を収めて日露戦争が幕を閉じる。日本が勝ったというより、帝政ロシアが自滅した戦争と言えよう。
単行本6巻にそれぞれつけられた著者のあとがきが文庫本では本巻にまとめられ、約六十ページにおよぶ。史実についての著者なりの分析がたいへん興味深い。
長編小説を読むのは途中で義務化される束縛感があり、あまり好まないのであるが、本書は普通の小説とは異なり、近代日本史のドキュメンタリーなので、歴史の勉強として最後まで楽しんで読むことができた。

2010年7月21日水曜日

坂の上の雲〈7〉 =★★★★=

司馬 遼太郎 (著)/文藝春秋
奉天会戦の巻。戦力では到底太刀打ちできない日本軍が、ロシア軍の拙攻で勝ってしまうのである。相手の情報を入手することが困難だった時代故にこのようなことが起こったと言えるが、勝負事における心理面の重要さを再認識させられる。この機に日本は欧米諸国に働きかけ、講和へ持ち込もうと画策するがうまくいかず、バルチック艦隊との日本海海戦へ突入していく。

2010年7月13日火曜日

Twitterの衝撃 140文字がビジネスからメディアまで変える =★★★=

枝 洋樹 (著), 林 信行 (著), 小林 弘人 (著), 津田 大介 (著), 武田 徹 (著), 高須賀 宣 (著), 岡野原 大輔 (著), 片瀬 京子 (著), 高橋 秀和 (著), 亀津 敦 (著), 日経BP社 出版局 (編集)/日経BP社
Twitterについての10人の評論集。様々な視点で書かれているのでTwitterの全体像を把握しやすい。逆に言えばあまり深堀はしていない。
個人的には、情報メディアとしては興味深いが、そのスピード故、世論の行きすぎや、短絡思考、大衆迎合等に陥る危険性も孕んでいると考える。

2010年7月8日木曜日

坂の上の雲〈6〉 =★★★★=

司馬 遼太郎 (著)/文藝春秋
バルチック艦隊と東郷艦隊の日本海海戦に向けた準備の様子と、満州における真冬の内陸戦の様子を描く。海戦は日本が旅順を攻略した結果、既に優位に立っていたようだ。
一方、ロシアに明石元次郎という密偵を送り、諜報活動兼革命扇動を行い、ロシアの内部から揺さぶりをかける。これは後にロシア革命の引き金となったようだ。明石という人物の特異さと相俟って面白い。

2010年7月7日水曜日

稲盛和夫の実学―経営と会計 =★★★★=

稲盛 和夫 (著)/日本経済新聞社
理系の技術屋が会社を興し、経営をするために会計を理解しようとし、独自の会計手法を考え出していく様は見事。現在では常識となっているキャッシュフロー計算書を始め、在庫の時価評価、部門別会計等、収益をリアルタイムで計測する観点で重視している。
経営者としてはやや細かすぎる感じもするが、その堅実さ・愚直さが小さい企業を大きくする原動力となったことは間違いなさそうだ。

2010年6月30日水曜日

難問ナンプレに挑戦〈4〉 =★★★★=

西山 ゆかり (著)/世界文化社
かなりの難問で、基本的な解放だけでは解けない。できるかぎり背理法(数字をあてはめて矛盾をさがす方法)を避け、論理的に解く方法を習得しようと努力中。

2010年6月29日火曜日

大人のための算数練習帳 中学入試編 =★★★=

佐藤 恒雄 (著)/講談社
中学入試に出題された算数の良問を掲載。難問ではないので少し考えれば大人も解くことができる問題。中学受験の子を持つ親が子供の勉強を理解できるように準備する目的に適している。

2010年6月28日月曜日

論語 =★★★=

金谷 治 (翻訳) /岩波書店
儒学の基本となる本書だが、本書だけではなかなか儒学のことを理解するのは難しい。別途、解説書が欲しいところ。

2010年6月24日木曜日

1Q84 BOOK 3 =★★★=

村上 春樹 (著)/新潮社
本書でようやく普通の恋愛小説らしくなった印象。ただし、Book3は先が読める展開なので刺激が少ない。
全体としては、村上春樹の世界らしく平易な文章と難解なテーマで虚実不明な世界へ導かれる物語。

2010年6月18日金曜日

坂の上の雲〈5〉 =★★★★=

司馬 遼太郎 (著)/文藝春秋
拙攻により多数の犠牲者を出した、203高地および旅順への攻撃を描く。天才大将児玉源太郎が越権で乗り込んだことで短期間で終結させることに成功。常識にとらわれない機動的な戦略が功を奏したわけだ。
無駄な死に方をした人が多かったわけで、戦争によって命を落とすことの儚さを大いに感じる章であった。
帝政ロシアの衰退の様子、また戦争における戦略の度重なる失敗なども詳しく記されていて興味深い。

2010年6月11日金曜日

「勉強しろ」と言わずに子供を勉強させる法 =★★★★=

小林 公夫 (著)/PHP研究所
前半は、「できる子」の特徴は能動性、継続性、粘着性、論理性であること。また、親が干渉しすぎると、上記の特徴の成長を阻害してしまうこと。について、著者の多くの教え子の例を挙げて論述している。
後半は、中学受験については、親が受験校の傾向・対策を検討するべき。著者自身の子育てで男親として気をつけていること。など、盛りだくさんで、内容はやや散漫だが、親の役割を考える上で参考になる。
ややもすれば子供の教育に感情的になり勝ちだが、親は大局的・長期的な視点に立ち、子供を信じて、冷静に接していくことが大切というだろう。

2010年6月10日木曜日

坂の上の雲〈4〉 =★★★★=

司馬 遼太郎 (著)/文藝春秋
日本の軍隊というと第2次大戦の政治まで乗っ取ってしまった軍国主義的イメージがあるが、明治時代の軍隊の様子はずいぶん違っていたようだ。まず、国民の期待を背負って戦争を行っている。よって国民が戦績のよくない部隊の批判ができる雰囲気がある。次に、各指揮官の個性が強い故、戦果は指揮官の能力に寄るところが大きくなる。このように物語として読むには面白いわけだ。
それにしても金欠の日本が、欧州で外債発行を頼みに日露戦争を始めてしまったとは恐れ入る。

2010年6月4日金曜日

1Q84 BOOK 2 =★★★=

村上 春樹 (著)/新潮社
幻想の世界に入り込んだことがわかってくる。SF小説のようだ。
不思議な出来事もすべて幻想の世界の中なので、それなりに受け入れるようになってくる。
煙に巻かれる感じのするこの小説のテーマは何だろう。
過去を大事にすることの大切さと人生の儚さといったところだろうか。

2010年6月1日火曜日

1Q84 BOOK 1 =★★★★=

村上 春樹 (著)/新潮社
スナイパー、新鋭作家、カルト教団、セックスをごった煮したような小説。登場人物の特異さが春樹作品らしく、読み手をひきつける。
なぜ1984年を舞台にしたのか?現実の世界と幻想の世界の関連性は?書き手によって歴史が作りかえられる原作「1984」との関係は?等、いろいろなことを想像しながら読むことができる。
今からでもジョージ・オーウェルの「1984」を読んでみよう。

2010年5月31日月曜日

世界がわかる宗教社会学入門 =★★★★=

橋爪 大三郎 (著)/筑摩書房

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教のそれぞれの成り立ち、基本的な教義や価値観等を平易な文章でまとめた本。宗教に関しては、部分的な知識はあっても全体像を把握できていないところがあったことを反省した。著者のやや厳しい意見も目立つが、非常に理解しやすく、一度に知識を得る本としては有用。

宗教に弱い日本人が外国のことを理解するためには、最低限これらの知識を持つべきだと思う。

2010年5月26日水曜日

会社法入門 =★★★=

神田 秀樹 (著)/岩波書店
商法から独立して会社法が作られた経緯や、改正のポイントがわかりやすく書かれている。
このようなビジネスに関する法律は時代の変遷と共に変化させていく柔軟性が必要であることがわかった。

2010年5月25日火曜日

超強育論 =★★★★=

宮本 哲也 (著)/ディスカヴァー・トゥエンティワン
著者の算数塾でのユニークな指導法を披露している。問題を解けたかどうかは重要でなく、解くためにどれだけ考えたかということが算数の能力を高める最も効果的な方法と説く。従って、授業では問題を与えるだけで、ほとんど解説をしないらしい。解けなかった問題もそのまま放置しておけば、寝ている間に頭が勝手に考えてくれることもあるとか。教えることよりいかにモチベーションを高めるかが大事ということだろう。

2010年5月24日月曜日

強育論 =★★★★=

宮本 哲也 (著)/ディスカヴァー・トゥエンティワン
「算数が好きではない子は来ないでください。算数を好きでもない子を好きにさせるのは嫌。」というユニークな算数塾の塾長の著書。先日、著者の講演会があったので聞きに行った。短時間の話を聞くだけでは、かなりわがままで個性の強い人という印象。
だが、本書はなぜそのように考えるに至ったかが書かれてあるので、なるほどと納得させられるところが多かった。特に、親が子供にどのようにかかわるかについては勉強になった。子供は自分がやる気になった時、また、自分でじっくり考えた時に頭が良くなっていくのだ。

2010年5月20日木曜日

坂の上の雲〈3〉 =★★★★=

司馬 遼太郎 (著)/文藝春秋
正岡子規が逝った。この小説に面白味をつけてくれる存在だっただけに3巻における早すぎる死はとても残念。
実在した明治時代においても戦争一色に染まっていく暗い世の中にあって、文学の開化を行っていく子規の存在感は大きく、人々の暮らしに明るさをもたらしていたのではないだろうか。
話はいよいよ日露戦争へ突入。多少脚色もあろうが、史実を面白い読み物へと転化させる著者の才能と努力に感服。

2010年5月14日金曜日

菜根譚 =★★★★=

洪 自誠 (著), 今井 宇三郎 (翻訳)/岩波書店
中国明時代末期の随筆集。内容は処世訓に徹していてまとまりもよい。
私利私欲に走らず、誠実な生き方をすること。心穏やかに生きること、中庸を重んじること等の処世術。
悩みをかかえたり、心身に疲れを感じるときに読むと、気持ちを切り替えることができてよいかもしれない。
過去には中国より、むしろ日本の禅僧に重用されたらしい。わかる気がする。

2010年5月11日火曜日

坂の上の雲〈2〉 =★★★★=

司馬 遼太郎 (著)/文藝春秋
日清戦争に突入し、予想を覆して日本が勝ってしまったいきさつ、およびその後の日露戦争への伏線が詳しく書かれている。難しい歴史書を読むより本書を読む方が勉強になるのではなかろうか。少なくとも楽しく読めるのがよい。
それにしても、わずか百年前の世界が先進国といえども野蛮な領土争いに明け暮れていたことは、改めて驚かされる。今の世界も争いが絶え間なく起こっているのでいばれるものでもないが。。。
 

2010年5月7日金曜日

「旭山動物園」革命―夢を実現した復活プロジェクト =★★★★=

小菅 正夫 (著)/角川書店
昨年夏、旭山動物園に行き、ディスプレイの工夫を実感することができたが、本書を読んで改めて動物園側のさまざまな努力の結果であることがわかった。園長(著者)のリーダーシップも大きな役割を果たしたようだ。
今度は冬の旭山動物園を訪れてみたくなった。

2010年5月5日水曜日

オバマ演説集 =★★★★=

三浦 俊章 (編集, 翻訳)/岩波書店
2004年から2009年にかけての10本の演説を訳した本。民主党の予備選では”チェンジ”のイメージが強かったが、これらの10本の中にはあまり取り上げられていない。
競合相手を蹴落とす内容はほとんど用いず、弱者に味方することで自身のマイノリティーを強みに変えている印象。共和党政権下でイラク戦争や不景気により生活が苦しくなっている人が多い状況も追い風となったと見るべきだろう。
文章で読む演説は完成度が高いと思うが、それ以上にオバマ氏の太い声によって人々に好印象を与えたのも大きかったのではないかと感じる。
アメリカの建国精神を学ぶにもよい内容。

2010年4月28日水曜日

村上式シンプル仕事術―厳しい時代を生き抜く14の原理原則 =★★★★=

村上 憲郎 (著)/ダイヤモンド社
英語勉強法に続いて出版された仕事術。仕事術というより、勉強のための推薦図書の紹介。
英語を武器にする以前に、しっかり仕事ができないといけないという観点から、またグローバル化していく企業人として必要な知識についてポイントを解説。
財務や経済の知識については当然であるが、宗教や哲学に関する正しい知識を持ち、他国文化を理解できるようにしておくことを強調している点は米国企業で過ごしてきた著者らしい視点と言えよう。

2010年4月27日火曜日

坂の上の雲〈1〉 =★★★★=

司馬 遼太郎 (著)/文藝春秋
先日、テレビ放映されていたドラマを小一時間ほど観て興味を持ち、やはり有名な作品は原作を読む方が面白かろうと思い立って手にした。登場人物である真之や子規はどうしてもドラマの役者の顔をイメージしてしまうが、適役であり違和感はない。
明治初期の日本の様子、若者の様子がよくわかり、歴史の勉強にもなる。
著者にしてはやや砕けた口語調の解説コメントもあり、楽しく読める。

2010年4月25日日曜日

太陽を曳く馬〈下〉 =★★★★=

高村 薫 (著)/新潮社
オウム真理教と仏教の関係をテーマに、宗教とは何かを考えさせる展開となっている。物語の内容の濃さもさることながら、宗教について解釈や考察をこれだけ詳しく書くには著者の膨大な調査・研究があったのではないだろうか。
先達の知恵を参考にしたり、さまざまな文化の背景を理解することを目的にして、宗教に関する本を読むことが最近多いが、なかなかわかりやすい本は少ない。本書は小説ではあるが、新興宗教についての知識を得るための良書といえよう。

2010年4月20日火曜日

Twitter使いこなし術 パワーユーザー100人の「技」を公開 =★★★=

根岸 智幸 (著)/アスキー・メディアワークス
遅ればせながら、twitterの楽しいところはどこか?ブログとはどう違うのか?という疑問を持ちつつ本書を手にした。基本的な使い方から、マニアックな使い方まで紹介されていて、使い方やしくみについてはよく理解できた。
以下は勝手に解釈したもの
・文字数に制限があることで、たいした内容でなくても投稿できる雰囲気が作られた
・文字数が少ないこと、内容が簡素なことで、読み手も高速で閲覧できる
・フォローしたりフォローを解除することが容易にかつ勝手にできる気軽さ
・参加する敷居が低くなったことで、情報交換としてのネットワークの効果が大きくなった
ニュースを追ったり、人々の関心事を迅速につかむにはよいアイテムと言えよう。
ただし、個人的には人が大勢集まっているところに野次馬のように参加する感じを持ってしまう。

2010年4月16日金曜日

追記

『学問のすすめ』より
大事なことは、人としての当然の感情に基づいて、自分の行動を正しくし、熱心に勉強し、広く知識を得て、それぞれの社会的役割にふさわしい知識や人間性を備えることだ。
人民がもし暴力的な政治を避けようとするならば、いますぐ学問を志して、自分の才能や人間性を高め、政府と同等の地位にのぼるようにしなければならない。
商売の状態を明らかにして、今後の見通しを立てるものは、帳簿の決算だ。自分自身の有様を明らかにして、今後の方針を立てるものは、知性と徳と仕事の棚卸しなのだ。

坂本龍馬 =★★=

松浦 玲 (著)/岩波書店
最近流行りの龍馬もの。脚色された小説ではなく、実像を知りたくて読んでみた。
さまざまな資料から龍馬の行動を追っているのだが、著者が専門家であるが故に、データの信憑性や解釈に力が注がれていて、出来事の重要性がよくわからなかった。

学問のすすめ 現代語訳 =★★★=

福澤 諭吉 (著), 斎藤 孝 (翻訳)/筑摩書房
当初、教育論の本だと思っていたが、少し違った。
明治維新で社会は変革したが、文明や社会構造が西欧諸国に大きく遅れていることから、早期に国力を強化することを目的として教育を推奨している。よって、実学重視である。また、封建制度に慣れきってしまっていて、政治参加の意識の低い日本の国民に対して、主権は国民にあることを自覚させる文章も多い。
現代語訳されていてとても読みやすかった。

2010年4月7日水曜日

ビジネスマンのための「読書力」養成講座 =★★★★=

小宮 一慶 (著)/ディスカヴァー・トゥエンティワン
主にビジネス書の読み方について下記3つのポイントを推奨している。
①本によって読み方を変える(速読、通読、熟読、重読)
②レベルの高い本を読む
③熟読で論理的思考力を養う
著者は特にビジネスの専門分野の読み方としては多読より、少なくてもよいので③の読み方を重視する。
本書も含めて、本に書き込みを行うことを勧めるものが多いが、自分はなかなかそれができず、せいぜい付箋を貼る程度だ。勉強のために読む本や再読すべき本には、その時気づいたことを書き込んでみようと思う今日この頃である。

2010年4月5日月曜日

ツァラトゥストラはこう言った 下 =★★★=

 ニーチェ (著), Friedrich Nietzsche (原著), 氷上 英広 (翻訳)/岩波書店牧師の家に育ったニーチェがキリスト教を中心とする宗教的な価値観を否定していることは面白い。下巻は永劫回帰がテーマとなっているが、一回読んだだけでは十分理解できなかったので今後再読の機会を設けたい。

2010年3月31日水曜日

「捨てる!」技術 =★★★★=

>辰巳 渚 (著)/宝島社整理術と捨てる技術は大きく異なることに気づかされた。普段考えているのは整理術で、捨てる技術についてはあまり考えることがなかった。整理術は後で引き出したり使いやすくするために効率よく保管する技術だが、これには絶え間ない努力が必要である。一方、捨てる技術は使用頻度の低いモノを定期的な見直し方を確立することでモノを減らし、生活しやすい環境を作ることである。ただし、捨てる技術にはモノを捨てる罪悪感に打ち勝つ精神力が必要。モノが減れば、必要最小限のモノが整理されず、散乱していても問題にはならないというところがポイント。

2010年3月30日火曜日

ツァラトゥストラはこう言った 上 =★★★=

ニーチェ (著), Friedrich Nietzsche (原著), 氷上 英広 (翻訳)/岩波書店論理的な解説はないため、哲学というより宗教書といった感がある。社会通念に惑わされることなく、自分に偽りのないように生きるべきと訴えている。文章は比較的平易に訳されているので読みやすいが、抽象的な表現が多いため難解。

2010年3月26日金曜日

古寺巡礼 =★★★★=

和辻 哲郎 (著)/岩波書店
本書は1919年に出版されたものであるが、対象が奈良の寺や展示物であるため古さを感じさせない内容である。写真がところどころに載せられているが、やや少なめで、文章でその美しさを表現しているところが面白い。哲学者のわりに芸術、歴史、文学への造詣の深さが感じられる。著者が30歳で本書を書いていることは驚かされた。
昨年、関西に帰省したついでに、数十年ぶりに奈良東大寺の大仏を見に行った。よく行く京都とは寺の雰囲気が少し異なる。本書を片手に 法隆寺、薬師寺などを巡ってみたいという気にさせられた。

2010年3月25日木曜日

大事なことはすべて記録しなさい =★★★★=

鹿田 尚樹 (著)/ダイヤモンド社
記録する方法だけでなく、後で検索しやすい形で保管することに気配りをしているところがポイント。自分に合ったものを取り入れていきたい。
自分の時間をどのように使っているかをすべて記録してみることで、客観的に時間の使い方を考えることができるようになるという工夫は納得。自由時間は意外と少ないもの。実践してみよう。

2010年3月20日土曜日

人生を考えるヒント―ニーチェの言葉から =★★★★=

木原 武一 (著)/新潮社
ニーチェの著書の言葉を抜粋して、現代の社会に状況を置き換えてわかりやすく解説。
ニヒリズムと表現されるニーチェの思想が少しずつ理解できる。既成概念に対しては敢えて逆説的な言葉を使い、人間は本来どうあるべきかと疑問を投げかけてくるようだ。ただ、著者の解説によると、必ずしもニヒリズムとは異なるらしい。実際にニーチェの著書を読んでみなくては。。

2010年3月12日金曜日

風林火山 =★★★★=

井上 靖 (著)/新潮社
武田信玄の軍師として有名な山本勘助の物語。ただし、江戸時代の書物から有名になった人物であり、実在の人物かどうかは不明らしい。
著者の歴史小はいつも、出来事の流れを淡々と綴りながら、人物の感情をところどころにちりばめていて、それらがあまりでしゃばらないのがよい。

2010年3月10日水曜日

六番目の小夜子 =★★★★=

恩田 陸 (著)/新潮社
先日、「夜のピクニック」を読んで気に入ったので本書も読んでみることにした。
人生の中で最も輝きを持つ高校生生活を美しく描いているという印象。これは「夜のピクニック」にも共通の印象である。
主題は学校に伝わる怖い話を題材にしたミステリーホラーで、設定は結構面白いので楽しんで一気に読めた。ただ、謎解きは十分とは言えず、少し釈然としないものが残った。著者が女性だからであろうが、登場人物が容姿端麗、頭脳明晰と理想的すぎるのも気になるところ。

負けない技術──20年間無敗、伝説の雀鬼の「逆境突破力」 =★★★★=

桜井 章一 (著)/講談社
悟りを開いた教祖のような語り調で人生論を展開する。いやみがなく、素直な文章で読みやすい。
以下がポイントだが、どれも正論で納得させられる内容。個人的には囲碁に活用していきたい。
・勝負事は精神状態が大きいウェイトを占めることが大きいため、沈着冷静にいられる精神修行が大切。
・対人の勝負であるため、自分の感性を研ぎ澄まし、相手やまわりの状況をよく観察すること。
・技術面に関しては、状況に応じた奇策より、本手(本流の手法)を採用することを重んじる。

2010年3月5日金曜日

ハッピー・リタイアメント =★★★=

浅田 次郎 (著)/幻冬舎
公務員の天下りに対して風刺を利かせた、著者にしてはかなり軽いタッチの物語。
そのまま娯楽映画が作れそう。

2010年3月4日木曜日

ルポ 貧困大国アメリカ II =★★★★=

堤 未果 (著)/岩波書店
米国の貧困層の暮らしについてのレポート第2弾。前回は、食料事情、住宅問題、軍隊、医療などがテーマであったが、今回は学資ローン、年金、医療保険、刑務所ビジネスを取り上げている。サブプライムローン問題に始まる米国の景気後退を受けて、下流層の暮らしが更にひどい状態となっている様子を取材している。
オバマ大統領の選出でチェンジが期待されたが、貧困層の救済という点においては進歩が見ないと批判的。
自由経済の発達によって生まれる貧富の差が、はたして人間の暮らしによいものかどうか考えさせられる。

2010年3月3日水曜日

アルファを求める男たち――金融理論を投資戦略に進化させた17人の物語 =★★★=

ピーター・バーンスタイン (著), 山口 勝業 (翻訳)/東洋経済新報社
金融市場でアクティブ運用によるα(超過リターン)を獲得するのがいかに困難か、またリスク管理をすることがいかに重要かを説く本。
α獲得の成功例を取り上げて説明しているが、それらは非常に稀な例であり、市場の効率性が増している現在、同じやり方では長く続かないことを示唆している。

2010年3月1日月曜日

武士道―人に勝ち、自分に克つ強靭な精神力を鍛える 知的生きかた文庫 =★★★★=

新渡戸 稲造 (著), 奈良本 辰也 (翻訳)/三笠書房
明治時代の日本に宗教を通じた道徳教育が存在しなかったために、どのように道徳観を育てるかを海外に向けて説明するために国連大使の著者が英語で書いた本。(本書は翻訳となるが、言葉が古いので少々読みづらい)
日本の教育は儒学、神道、仏教などが基本となっていたが、日本人の価値観や礼儀作法まで広い範囲に含めて武士道と呼んでいる。現代社会で薄れている感覚もあるので興味深い。また、著者はキリスト教信者なのでキリスト教との比較も多く出てくるのが面白い。
武士道が武士以外の庶民にも共通の道徳観であったかどうかは少し疑問だが、きっと武士らしい生き方が美徳とされていたのだろう。

2010年2月25日木曜日

若き友人たちへ―筑紫哲也ラスト・メッセージ =★★★★=

筑紫 哲也 (著)/集英社
著者が大学で講義を行った内容を本にしたもの。学生相手ということで多くの薀蓄を傾けながら著者らしいこだわりのあるメッセージが記されている。少し左寄りの発言が多いため、攻撃対象にもなり勝ちだが、ジャーナリストとしてのまっすぐな姿勢が印象的である。

頭のよい子が育つ片づけ術 =★★=

飯田 久恵 (著)/学陽書房
整理術についてはよくまとまっていてわかりやすいが、はたして子供の頭がよくなるかどうかは疑問。(あまり説得力がない)
子供は記憶力がよいので、あまり整理がきちんとされていなくても困らないのではないかな。一方、大人は整理整頓が絶対必要だと思う。

2010年2月22日月曜日

チャイナ・レイク =★★★=

メグ・ガーディナー (著), 山西美都紀 (翻訳)/早川書房
宗教、軍、裁判などをテーマに盛り込み、アクションとサスペンスを融合した米国らしい作品。
スピード感が感じられ、楽しんで読むことができたが、一方であまり印象に残るものは少ないように思う。映画で例えると、ハリウッド映画のようなもの。

2010年2月12日金曜日

梅原猛の授業 道徳 =★★★=

梅原 猛 (著)/朝日新聞社
著者が京都洛南中学で行った道徳についての講義内容をまとめた本。
戦後、日本の学校で道徳の授業がなくなってしまったことに対する憂いから始まり、儒学、仏教、神道、キリスト教に含まれる共通の道徳観について語っている。宗教間の違いも明確に指摘していてわかりやすい。

iPhone情報整理術 ~あなたを情報’’強者’’に変える57の活用法! =★★★★=

堀 正岳 (著), 佐々木 正悟 (著)/技術評論社
まだ、iPhoneを持っていないが、これからユーザーになるかどうかを検討する上で本書を読んだ。
アプリの具体的な使い方より、いつでも引き出せるように情報を整理するという観点に立って説明しているので参考になった。ネットワークにつなげることで、PCとほぼ同等の情報を持ち歩けることが理解できた。ガジェット好きの虫が騒いできた。

2010年2月11日木曜日

中学受験BIBLE =★★★★=

荘司 雅彦 (著)/講談社
雙葉中に合格した娘の受験体験談。早稲田アカデミー、SAPIXという大手塾に通いながら、父親の熱血指導のもと合格を勝ち取った。
著者は病気療養中に仕事を休んで受験に取り組んだため、まるで家庭教師のように指導しているので、一般的な家庭には参考にならないかもしれないが、推奨問題集、効率的な勉強方法、子供への接し方などはたいへん参考になる。

2010年2月10日水曜日

デミアン =★★★★=

ヘッセ (著), 高橋 健二 (翻訳)/新潮社
『シッダールタ』が面白かったので、本書を手にした。
少年の精神的な変遷、成長過程を描いたものだが、キリスト教に対する疑念や、哲学的な思考を繰り返すなど、解釈は容易ではない。著者へルマン・ヘッセにとっても本書は転換点となっているようだ。『デミアン』以前の著書も読んでみなくては。

2010年2月9日火曜日

日本のもの造り哲学 =★★★★=

藤本 隆宏 (著)/日本経済新聞社
製造業のアーキテクチャーをモジュラー型(組み合わせ型)とインテグラル型(擦り合わせ型)に分類し、日本の製造業の強い部分が擦り合わせ技術にあり、弱い部分が収益へつなげるところと説明しているのは大変わかりやすい。この強い部分をうまく活かしていけば日本の製造業も捨てたものではないと語る。
また、収益につなげていく解決策として、供給側だけでなく、需要側つまり顧客ニーズのアーキテクチャーも考えるという発想は面白い。
全体を通して文章は口語調なためやや冗長な感じを受けるのがやや残念。

2010年2月5日金曜日

「天下り」とは何か =★★★★=

中野 雅至 (著)/講談社
最近の世論では天下りは悪いという印象が感情が常態となっているが、著者は元官僚なので、内部事情も考慮して割と公平な論じ方をしているように感じる。それでも尚、天下りの温床となっている特殊法人や公益法人の増設は税金の無駄遣いという批判的な態度である。
国家公務員というシステムや、政治と官僚の関係など様々な問題点を改良していかないと解決できない難しい課題であることもよく理解できた。政権が変わったことで変化が起きる可能性もあるが、あまり強引なやり方でも小手先の改革だけでもうまくいかない気がする。

2010年2月4日木曜日

和辻哲郎随筆集 =★★★=

坂部 恵 (編集)/岩波書店
和辻の随筆(本人は短文と呼んでいる)を集めたもの。日本の芸術、文化の美しさを丁寧な言葉遣いで詳細に表現している。人との交流についても細やかな観察力で描写している。特に夏目漱石については人物像を知る上で興味深い内容だ。
尚、1920年代から1960年代の幅広い時代の随筆であるが、文体や思想にぶれがないことに感心させられた。

2010年2月2日火曜日

政治と秋刀魚 日本と暮らして四五年 =★★★★=

ジェラルド・カーティス (著)/日経BP社
米コロンビア大学で日本の政治学を専門としている著者は、1964年から日本で度々暮らしているため、日本の文化、社会構造、国民性などにも非常に詳しい。基本的に親日派といえる。
特に、序章の初めて来日して暮らした様子や、2章の代議士の選挙に密着取材した話など大きなカルチャーショックを受けた経験は面白く描かれている。
現在の政治に関しては、社会構造の変化への対応の遅れや中選挙区制から小選挙区制への移行の問題点をわかりやすく説明していて勉強になる。

2010年1月29日金曜日

強欲資本主義 ウォール街の自爆 =★★★★=

神谷 秀樹 (著) /文藝春秋
『経済危機は9つの顔を持つ』を読んで本書の著者に興味を持った。一風変わった経歴を持ち、長くウォール街で働きながら今回のサブプライム問題に発するバブル崩壊を間近に見た様子を綴っている。いかに金融業界の強欲さがまかりとおり最終的には損を税金(国民負担)に押し付けるかといった批判的な内容がやや過激な言葉と共に描かれていて面白い。

2010年1月27日水曜日

太陽を曳く馬〈上〉 =★★★★=

高村 薫 (著)/新潮社
高村薫を約十年ぶりに読み始めた。読み応えがあるので、少々敷居が高いのだ。
本書も『マークスの山』『レディー・ジョーカー』と同じ合田雄一郎が登場する刑事ものだが、一風変わった状況設定と、心理面の表現の豊かさでやや暗めの高村ワールドに存分に浸ることができた。

2010年1月19日火曜日

頭のいい子が育つパパの習慣 =★★★★=

清水 克彦 (著)/PHP研究所
子供の教育については母親にまかせ勝ちだが、日頃子供と接する時間の少ない父親が与える影響は大きいという趣旨。実際、自分も子供の頃を思い返すと、数少ない父親の言葉の方が印象に残っている気がする。
どのように接するかに加えて、子供の好奇心を育てる、長所を伸ばす、粘り強く考える力を育てる等親として考えながら環境を整えていくことも大切だろう。
本書を読むと、至らないところばかりで反省しきりである。

すべての経済はバブルに通じる =★★=

小幡 績 (著)/光文社
2007年のサブプライム・ショックに始まるバブルの崩壊の様子を時間の経過とともに説明する。結局、このようなバブルとその崩壊は金融市場に参加する人々の欲望や群集心理によって起こるので、なくなることはないのであろう。金融資本市場は実体経済から乖離し、逆に実体経済へ影響力を持つようになってきていることに警戒感が必要だ。
本書は市場動向の説明が中心となり、経済論的観点が少なかったのが物足りなかった。

2010年1月18日月曜日

ティッピング・ポイント―いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか =★★★=

マルコム グラッドウェル (著), Malcolm Gladwell (原著), 高橋 啓 (翻訳)/飛鳥新社
人間社会の中には、小さな変化が大きな変化を生み出すことが多い。ただ、偶然な出来事ではなく、起こりべくして起こったということを本書では多くの事例を挙げて説明する。人間心理や群集心理によって小さな変化が拡大しやすいということだと思う。うまくポイントをつかめれば、自ら起こした小さな変化で大きな変化を作り出すことも可能だ。
少しわき道にそれた内容の、150の法則という章が印象に残った。集団として人間関係が効果的に機能する最大の規模は150人以下であり、それ以上の集団になると秩序が乱れ、効率性が落ちるという内容。企業組織にも当てはまる法則だと思う。

2010年1月14日木曜日

シッダールタ =★★★★=

ヘッセ (著), 高橋 健二 (翻訳)/新潮社
仏教の教祖であるゴータマ・シッダ-ルタ(=釈迦)が沙門となって修行し、商売人となり、さまざまな人生経験を経た後、川の渡し守となって悟りを開くまでの過程を描いている。東洋哲学と共に、自然の美しい描写がうまく調和された印象に残る作品と言える。
実際の釈迦は35歳で悟りを開き、その後は自らの悟りを伝道する人生を送るというのが通説なので、かなり脚色された物語と考えて読む必要あり。物語の中にはシッダールタとは別に、ゴータマと呼ばれる仏陀(悟りを開いた人)も登場するので少し戸惑ってしまった。

頭のよい子が育つ本棚 =★★★★=

四十万 靖 (著) /学習研究社
親と子の本が混在していたり、本棚をリビングに置いたりと本棚は蔵書をきれいに整理するためでなく、本を読む気にさせる工夫が必要。また、親子で読書の時間を共有したりするなど、子供が本を好きになる家庭の環境作りも大切であることがよくわかった。
一方、有名中学の図書室の様子も紹介されていて、学校側の教育姿勢が伺えた。学校選びのひとつのポイントとなろう。
自分は読書少年ではなかったので、通っていた中学や高校の図書館がどのようであったか思い出せない。もう少し図書室を利用していればよかったと少し後悔した。

2010年1月12日火曜日

ふしぎな図書館 =★★★=

村上 春樹 (著), 佐々木 マキ (著)/講談社
村上春樹の文章と佐々木マキの挿絵はよくマッチしている。ただし、子供向けの本にしては結末がなんで?と感じてしまった。

2010年1月8日金曜日

悩む力 =★★★=

姜 尚中 (著)/集英社
夏目漱石とマックス・ウェバーを同時代の『悩んだ人』を代表させているところが面白い。
内容はタイトルの『悩む力』と少し異なっていて、自分とは・生きるとは・愛とはということについて自分なりに真面目に考えてみましょうと言っているように感じる。著者は社会学者であるが、哲学者っぽい内容と言える。

経済危機は9つの顔を持つ =★★★=

竹森 俊平 (著)/日経BP社
経済学と異なる実体経済に近い分野(医学、建築、政治、金融等)の著名人9名をゲストとして経済学者である著者と対談するという少しユニークな企画。著者が人選をしているので、あまり論点のずれはない。ある程度著者のバイアスのかかった対談と言えるかもしれない。
全体として実態経済のエキスパートの方が説得力のある意見を持っているという印象。故に、それぞれの著書を読んでみたくなった。
2009年8月に出版されたので、リーマンショックに始まるサブプライム問題を殊更大きな経済危機として捉えているが、その後の世界の順調な景気回復傾向を見れば、大恐慌と比較するのは大げさと思うが。。。

2010年1月5日火曜日

博士の愛した数式 =★★★★=

小川 洋子 (著)/新潮社
本書のメイキングオブ版にあたる『世にも美しい数学入門』を先日読んで予備知識はあったわけだが、
数学を材料として取り入れるという目新しさだけでなく、ストーリー自体、不思議な暖かさを持ち、心地よく読むことができた。特に、人と人のふれ合いや、子供に対する母親の愛情が美しく描かれていると感じた。
もちろん数学についても、完全数、友愛数、双子素数、過剰数、不足数、三角数、ルース=アーロン・ペア、オイラーの定理、フェルマーの最終定理、アルティン予想など、理科系の自分でも知らない様々な数学用語が登場するので結構楽しめた。