2010年3月31日水曜日

「捨てる!」技術 =★★★★=

>辰巳 渚 (著)/宝島社整理術と捨てる技術は大きく異なることに気づかされた。普段考えているのは整理術で、捨てる技術についてはあまり考えることがなかった。整理術は後で引き出したり使いやすくするために効率よく保管する技術だが、これには絶え間ない努力が必要である。一方、捨てる技術は使用頻度の低いモノを定期的な見直し方を確立することでモノを減らし、生活しやすい環境を作ることである。ただし、捨てる技術にはモノを捨てる罪悪感に打ち勝つ精神力が必要。モノが減れば、必要最小限のモノが整理されず、散乱していても問題にはならないというところがポイント。

2010年3月30日火曜日

ツァラトゥストラはこう言った 上 =★★★=

ニーチェ (著), Friedrich Nietzsche (原著), 氷上 英広 (翻訳)/岩波書店論理的な解説はないため、哲学というより宗教書といった感がある。社会通念に惑わされることなく、自分に偽りのないように生きるべきと訴えている。文章は比較的平易に訳されているので読みやすいが、抽象的な表現が多いため難解。

2010年3月26日金曜日

古寺巡礼 =★★★★=

和辻 哲郎 (著)/岩波書店
本書は1919年に出版されたものであるが、対象が奈良の寺や展示物であるため古さを感じさせない内容である。写真がところどころに載せられているが、やや少なめで、文章でその美しさを表現しているところが面白い。哲学者のわりに芸術、歴史、文学への造詣の深さが感じられる。著者が30歳で本書を書いていることは驚かされた。
昨年、関西に帰省したついでに、数十年ぶりに奈良東大寺の大仏を見に行った。よく行く京都とは寺の雰囲気が少し異なる。本書を片手に 法隆寺、薬師寺などを巡ってみたいという気にさせられた。

2010年3月25日木曜日

大事なことはすべて記録しなさい =★★★★=

鹿田 尚樹 (著)/ダイヤモンド社
記録する方法だけでなく、後で検索しやすい形で保管することに気配りをしているところがポイント。自分に合ったものを取り入れていきたい。
自分の時間をどのように使っているかをすべて記録してみることで、客観的に時間の使い方を考えることができるようになるという工夫は納得。自由時間は意外と少ないもの。実践してみよう。

2010年3月20日土曜日

人生を考えるヒント―ニーチェの言葉から =★★★★=

木原 武一 (著)/新潮社
ニーチェの著書の言葉を抜粋して、現代の社会に状況を置き換えてわかりやすく解説。
ニヒリズムと表現されるニーチェの思想が少しずつ理解できる。既成概念に対しては敢えて逆説的な言葉を使い、人間は本来どうあるべきかと疑問を投げかけてくるようだ。ただ、著者の解説によると、必ずしもニヒリズムとは異なるらしい。実際にニーチェの著書を読んでみなくては。。

2010年3月12日金曜日

風林火山 =★★★★=

井上 靖 (著)/新潮社
武田信玄の軍師として有名な山本勘助の物語。ただし、江戸時代の書物から有名になった人物であり、実在の人物かどうかは不明らしい。
著者の歴史小はいつも、出来事の流れを淡々と綴りながら、人物の感情をところどころにちりばめていて、それらがあまりでしゃばらないのがよい。

2010年3月10日水曜日

六番目の小夜子 =★★★★=

恩田 陸 (著)/新潮社
先日、「夜のピクニック」を読んで気に入ったので本書も読んでみることにした。
人生の中で最も輝きを持つ高校生生活を美しく描いているという印象。これは「夜のピクニック」にも共通の印象である。
主題は学校に伝わる怖い話を題材にしたミステリーホラーで、設定は結構面白いので楽しんで一気に読めた。ただ、謎解きは十分とは言えず、少し釈然としないものが残った。著者が女性だからであろうが、登場人物が容姿端麗、頭脳明晰と理想的すぎるのも気になるところ。

負けない技術──20年間無敗、伝説の雀鬼の「逆境突破力」 =★★★★=

桜井 章一 (著)/講談社
悟りを開いた教祖のような語り調で人生論を展開する。いやみがなく、素直な文章で読みやすい。
以下がポイントだが、どれも正論で納得させられる内容。個人的には囲碁に活用していきたい。
・勝負事は精神状態が大きいウェイトを占めることが大きいため、沈着冷静にいられる精神修行が大切。
・対人の勝負であるため、自分の感性を研ぎ澄まし、相手やまわりの状況をよく観察すること。
・技術面に関しては、状況に応じた奇策より、本手(本流の手法)を採用することを重んじる。

2010年3月5日金曜日

ハッピー・リタイアメント =★★★=

浅田 次郎 (著)/幻冬舎
公務員の天下りに対して風刺を利かせた、著者にしてはかなり軽いタッチの物語。
そのまま娯楽映画が作れそう。

2010年3月4日木曜日

ルポ 貧困大国アメリカ II =★★★★=

堤 未果 (著)/岩波書店
米国の貧困層の暮らしについてのレポート第2弾。前回は、食料事情、住宅問題、軍隊、医療などがテーマであったが、今回は学資ローン、年金、医療保険、刑務所ビジネスを取り上げている。サブプライムローン問題に始まる米国の景気後退を受けて、下流層の暮らしが更にひどい状態となっている様子を取材している。
オバマ大統領の選出でチェンジが期待されたが、貧困層の救済という点においては進歩が見ないと批判的。
自由経済の発達によって生まれる貧富の差が、はたして人間の暮らしによいものかどうか考えさせられる。

2010年3月3日水曜日

アルファを求める男たち――金融理論を投資戦略に進化させた17人の物語 =★★★=

ピーター・バーンスタイン (著), 山口 勝業 (翻訳)/東洋経済新報社
金融市場でアクティブ運用によるα(超過リターン)を獲得するのがいかに困難か、またリスク管理をすることがいかに重要かを説く本。
α獲得の成功例を取り上げて説明しているが、それらは非常に稀な例であり、市場の効率性が増している現在、同じやり方では長く続かないことを示唆している。

2010年3月1日月曜日

武士道―人に勝ち、自分に克つ強靭な精神力を鍛える 知的生きかた文庫 =★★★★=

新渡戸 稲造 (著), 奈良本 辰也 (翻訳)/三笠書房
明治時代の日本に宗教を通じた道徳教育が存在しなかったために、どのように道徳観を育てるかを海外に向けて説明するために国連大使の著者が英語で書いた本。(本書は翻訳となるが、言葉が古いので少々読みづらい)
日本の教育は儒学、神道、仏教などが基本となっていたが、日本人の価値観や礼儀作法まで広い範囲に含めて武士道と呼んでいる。現代社会で薄れている感覚もあるので興味深い。また、著者はキリスト教信者なのでキリスト教との比較も多く出てくるのが面白い。
武士道が武士以外の庶民にも共通の道徳観であったかどうかは少し疑問だが、きっと武士らしい生き方が美徳とされていたのだろう。