2011年1月25日火曜日

ローマ人の物語〈18〉悪名高き皇帝たち(2) =★★★★=

塩野 七生 (著)/新潮社
ティベリウス時代末期になると、権力へ野望を抱く側近セイアヌスを処刑するとともに、元老院議員の反対勢力を粛清する。これがティベリウスを悪名高き皇帝としたのであろうが、筆者はあくまでも堅実にローマ帝国を統治したティベリウスを擁護する立場である。
アクグストゥスの曾孫カリグラが24歳の若さで3代皇帝に就く。カリグラは悪政を繰り返し、わずか4年で暗殺される。賢帝が続かないのはいつの世も同じである。

2011年1月24日月曜日

外国人投資家が日本株を買う条件 =★★★=

菊地 正俊 (著, 編集) /日本経済新聞出版社
外国人投資家が日本株のどのような点に着目して投資しているかを解説。
特にここ数年の市場環境を交えて、日本株が敬遠されていた理由や、これから見直される可能性について客観的に書かれているので読みやすい。
後半は外国人投資家の説明がつらつらと書かれているが、あまり読む気がしなかった。

2011年1月22日土曜日

新参者 =★★★★=

東野 圭吾 (著)/講談社
人間模様を描くエピソードを多く交えているところが普通のミステリー小説と異なる。
殺人事件の解決というミステリー部分は各エピソードをつなぐための材料という軽めの位置づけとなっている。
人と人の絆を人への思いやりの気持ちで表現しているため、読み手の心が温まる。
東野圭吾作品を本で読むのはこれが初めてだが、人気の理由がわかった気がする。

2011年1月20日木曜日

ローマ人の物語〈17〉悪名高き皇帝たち(1) =★★★★=

塩野 七生 (著)/新潮社
題名が『悪名高き皇帝たち』とあるが、これは過去の歴史家の評価である。著者は、彼らの皇帝としての統治能力を客観的に見てみようという立場で書いているところが面白い。
本書はアウグストゥスを継いだ2代皇帝ティベリウスである。派手さはなく、民衆からの人気も高いわけではいが、堅実な統治で帝国全体の安定化路線を確実なものにしていく。ストイックな生活の様子も著者は高く評価しているようだ。
都市のインフラに限らず、政治・法律・軍事などは適切なメンテナンスや時代に応じた修正が必要であり、それらを税金を上げることなく緊縮財政の中着実に実行する姿は有能な政治家として好感が持てる。

2011年1月19日水曜日

トレードオフ―上質をとるか、手軽をとるか =★★★★=

ケビン・メイニー(著) (著), ジム・コリンズ(序文) (著), 内田和成(解説) (著), 有賀裕子 (翻訳)/プレジデント社
企業が競争に打ち勝って生き延びて行くためには、その提供する商品やサービスが消費者・利用者にとって上質なものであるか、または手軽であるかのどちらかひとつであり、両方を提供することを目指してはいけない、と説く。
言い換えれば、ブランド力のあるものはそれだけで付加価値があるため、それを守る努力をすべきであるし、ブランド力のないものは、価格や利便性の優位を保つ方向に進むべきということである。
インターネット社会になり、情報が平等に伝わりやすい世の中になってきている現在、消費者の動向はより明確になり、中途半端な戦略の企業は淘汰されていくことが予想される。

2011年1月12日水曜日

ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則 =★★★★=

ジェームズ・C. コリンズ (著), ジェリー・I. ポラス (著), 山岡 洋一 (翻訳)/日経BP社
長期間成長し、存続し続ける企業になるためには、カリスマ経営者が必要な訳ではなく、しっかりとした企業理念とそれを社員に植え付ける教育制度や企業風土が必要である。
変異して環境に適応したものが生き残っていく生物の進化と同じように、企業も多角化や研究開発に力を入れ、新しい製品を作り続けることが生き残り、成長につながる。

最初は成功した企業の事例集かと思ったが、少し違った。
上記のような企業がすべて成功するわけではないが、その努力を怠った企業は成長できなくなる可能性が高いということだろう。

2011年1月11日火曜日

天地明察 =★★★★=

冲方 丁 (著)/角川書店
数学や天文学にも長けた囲碁棋士である青年・渋川春海が二十年もかけて改暦を成し遂げるまでの苦難の道が描かれている。春海の学問に対する純粋さ、若者らしいまっすぐさが読み手をすがすがしい気持ちにさせてくれる。
和算で有名な関孝和や、囲碁の天才・本因坊道策らが登場し、彼らの時代背景を楽しむこともできる。

2011年1月7日金曜日

ビジネス・ツイッター 世界の企業を変えた140文字の会話メディア =★★★=

シェル・イスラエル (著), 林信行(解説) (監修), 滑川海彦 (翻訳), 前田博明 (翻訳)/日経BP社
ツイッターは個人の情報交換に便利なツールというだけでなく、ビジネスへの活用事例が多く載せられている。
ビジネスに活用することが目的であっても、人(読み手)の心をとらえるためには、発言者の個性を打ち出すことが大切であると著者は訴えている。
パーティー会場などで互いの関心事が共通する仲間を見つけて話し合う様子に似ているという感想。話し手が人を引きつけるにはどうしたらよいか、また人の発言を聞いてあげる態度はどうあるべきか等、人と人のコミュニケーションの基本が大切であることを再認識した。

2011年1月5日水曜日

能率手帳の流儀 =★★★★=

野口 晴巳 (著)/日本能率協会マネジメントセンター
日本能率協会の社長が、自身の手帳活用術を処世訓を交えながら紹介。
印象に残った点
・手帳には大きな計画や目標を掲げるのではなく、小さな具体的な目標を書き、達成できたら自分で褒めて達成感を味わう。
・書いて、読み返して、考える習慣づけのために手帳を活用。
・アイデアを引き出すために手帳を見返し、人よりひとつでも多く案を作る。
・隙間時間を活用。読書も同じ。
能率手帳については最後にわずかのページで紹介しているだけで奥ゆかしい。(だが、『能率手帳ゴールド』がとても欲しくなった。)

2011年1月4日火曜日

ローマ人の物語〈16〉パクス・ロマーナ(下) =★★★=

塩野 七生 (著)/新潮社
アウグストゥス晩年である。血縁者を後継者としたいアウグストゥスであったが、道が閉ざされていき、離反していたティベリウスを呼び返し、後継者とすることで仕事を終える。
カエサルのような派手さはないが、ローマ帝国の繁栄を長期化する基礎を築いた初代皇帝を筆者は比較的好意的に描いているように思う。